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アンダルシアから世界へ

2007年05月28日

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セビージャマーケティング部門取締役、マヌエル・ビスカイノ氏インタビュー

昨シーズンのUEFA杯優勝、今季はCLチャンピオンであるバルサを破ってヨーロッパカップを獲得し、リーガ・エスパニョーラの中堅クラブから世界的なビッグクラブへの階段を一歩ずつ上り続けているセビージャ。昨年はIFFHSによる世界ベストクラブの称号も獲得した。今季もここまでヨーロッパで唯一三冠を狙えるクラブとしてリーガ、UEFA、国王杯と戦い続けているが、4月15日にはオフィシャルウェブページをリニューアルし、日本語、英語バージョンを作成するなど世界に情報を発信する、スポーツ以外の分野でも成功を目指したクラブ経営を行っている。その中核を担う一人である、マーケティング部門取締役の、マヌエル・ビスカイノ氏に、短時間ながらも話を聞くことが出来た。

日本人がイメージするスペインそのもののアンダルシア。温暖な地方で生活していることが影響しているのか、ビスカイノ氏からは取締役の厳格なイメージは感じられず、まるで我々を旧知の友人のように温かく迎えてくれた。もちろんセビージャの未来を語るその目は、プロフェッショナルを感じさせるものであり、この数年でセビージャを、世界的なクラブの一つに成長させた牽引車の一人であることを十分認識させるものであった。

昨年のサッカー面での成功から、スペイン国内だけでなくヨーロッパからも注目を浴び始めているセビージャ。ビスカイノ氏は今季の目標としてスポーツ面、経営面からもCL入賞をあげている。「2002年に発足した現体制の一番の目標は、クラブとしてのしっかりとした基盤を作ること、セビージャの誇りを取り戻すことだ。この4年間で経済面でもセビージャは大きく回復したし、スポーツ面では昨シーズンに大きなタイトルを獲得して、十分な結果を出している。その中で2007年の目標はCL出場を果たすこと。もちろん、これはクラブの最大の目的であるスポーツ面での成功を目指すものだが、マーケティングの面でも大きな意味を持っている。CLをプレーすることでTVの放映権収入、新たなスポンサー獲得が期待され、認知度が上がることによるツアーの企画など、セビージャが成長するための要因を増やす可能性があるからだ」とサッカーの成功だけでなく、マーケティングの面からもCLでプレーすることは、セビージャが成長するために必要な目標であることを語った。

セビージャがビッグクラブへと成長するためのひとつの手段として、ビスカイノ氏はウェブページの多言語化を上げている。その中で昨夏に行ったジャパンツアーに触れ、日本人サポーターの獲得の可能性を語っている。「現在、ヨーロッパの他の国で新たなセビージャサポーターを見つけることはとても困難な状態だ。イングランドやオランダを例に挙げてみれば分かるが、どんなクラブにも熱狂的なサポーターがついている。そういったことからヨーロッパのクラブは、新しいサポーター開拓としてヨーロッパ以外の地域に目を向けている。我々も日本のサッカーに対する情熱を訪日した時に肌で感じ、セビージャのサッカーとはどんなものか、どんなチームなのかを知ってもらいたいと切に考えている。もちろん、短期間にチームのサポーターが1000人、1万人と増えることを期待はしていない。中、長期のスパンでセビジスタが日本でも増えてくれることを望んでいる」と話し、「ウェブページの日本語版を作ることで、日本のファンがよりセビージャを近くに感じてくれることを期待している。リーガ・エスパニョーラだけでなく、今季のUEFA杯、そして来季のCLとスペイン国外への露出もどんどん増えていく。それらの大会を通してセビージャに興味を持ってくれること、また昨年のツアーによっても日本の人達にセビージャのイメージを少しは残すことが出来たと思うし、日本についてのイメージもこちらにはいってきた」とウェブページの日本語版を架け橋に、日本人にセビージャFCの魅力を少しずつ伝え、多くの日本のサッカーファンにセビージャを感じて欲しいと述べている。

最後にビスカイノ氏は日本人サポーター獲得に有効な方法の一つである、日本人選手獲得について話をしてくれた。今シーズン開幕前に紙面で話題になっていた通り、セルティックの中村俊輔と交渉を行っていたことを明らかにし、「日本人選手を、その経済効果だけを理由にしてとる事は在り得ない。少なくともセビージャのメンバーの平均的な能力、そして個性を持ち合わせている選手が条件だ。しかも日本人の場合は外国人枠の問題がある。3つしか許されていない枠を有意義に使うためにはそれ相応のものをクラブに与えてくれる選手でなければいけない」とセビージャ入団に必要な条件を話した。

「調査の結果、サッカー能力的には十分だが、残念ながら交渉はまとまらなかった。ただ、日本のサッカーは今発展を続けているし、将来的に日本の、もしくはアジアの選手をとる可能性はもちろん否定はしない」と中村のセビージャ移籍は最終的な交渉段階で同意に至らなかったことを語ってくれた。

純粋なサッカーファンからすると、経営面の話が多く出た今回のビスカイノ氏に対するインタビューだが、もちろん彼の立場からすると、これは当然であることはご了承願いたい。ただ、ひとつ言えることは、彼のような、裏で選手たちが十分に働ける環境を作る人達がいるからこそ、サッカークラブは健全な経営が出来、そして健全な経営が出来ていればそれがピッチの上のプレーに、そして結果へと反映すると言うことだ。サッカー、経営両面で発展を続けるセビージャ。スペイン、ヨーロッパ、そして世界に向けてどのような絵を今後描いていくのか楽しみなクラブのうちの一つだ。


セビージャFC のオフィシャルウェブページ

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